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04.Service & Experience : 神経経済学と創造理論の統一? ドーパミン・マネジメント
投稿者: sugimoto 投稿日時: 2005-4-14 13:00:00 (5142 ヒット)


脳科学者である茂木健一郎氏の著作を初めて読みました。脳科学者の立場を超えて、哲学的な思想を展開している本書は深く、きちんと理解できたかどうか定かではありませんが、非常に面白いエッセイでした。

『脳と創造性 「この私」というクオリアへ』

次は、『脳内現象』を読んでみたいと思います。

扱っている深淵なテーマが広く、いずれも興味深かったため、全体をサマライズした感想がここには書けません。(ぜひ一読を)

ここでは、私が以前から興味を持っていた脳内神経伝達物質「ドーパミン」に触れている箇所だけを紹介させていただきます。




行動経済学から神経経済学へ

茂木氏は、「創造的であるためには不確実性を超えて跳躍する必要がある」として、「そのような不確実性に対処する脳の働きとして『直感』がある」と述べています。

すなわち、われわれ人間は経済活動を営むうえで、合理的な判断をいつも下しているわけではない。「直感」で商品を選択しているというわけです。

このような経済行動を理解するうえでの本質が「不確実性」にあることを示したのが、2002年にノーベル経済学賞を受賞したカーネマンらの「行動経済学」であったそうです。

【ご参考】

『行動経済学入門』


「不確実性が存在する中でどのように振る舞うかという問題は、人間が価値をどのように認識しているかという問題と深い関係がある。」


ここからが面白い!

引用:

このような客観的な属性では説明できない主観的な効用について考えるためには、脳の中の感情のシステムの働き、とりわけドーパミンと呼ばれる神経伝達物質を放出する神経細胞の働きを見ればよい。

ドーパミン細胞の活動は、快感をもたらす刺激が来れば放出されるといった単純なものではない。単に、生きる上でプラスになる刺激が提示されるというだけでなく、その刺激がどのような文脈で提示されたか、過去にはどのようないきさつがあったか、その際、どのようなことが予想されていたかなど複雑な情報処理を経て、いつ、どれくらいのドーパミンが放出されるかが決定される。

どのような時にどれだけのドーパミンが放出されるか、すなわち、その人がどのようなことを「うれしい」と思うかということは、その人の生き方自体に関わることである。「ドーパミン・マネジメント」が人生を決めるのである。



君の脳がどのような時にドーパミンを放出されるか、言ってみたまえ。そうすれば私は、君がどんな人間か言い当ててみせよう。



ここで、茂木氏は新しい研究分野である「神経経済学」を紹介し、今後の展望を示します。

引用:
文明を発達させ、生物としての生存自体はとりあえず保証された人間の殆どの欲望は、脳によってつくりだされ、脳によって消費される。脳の感情のシステムが人間の欲望を形作る。このような視点に立って、脳の感情の働きから、ダニエル・カーネマンらが進展させてきた行動経済学の成果を見直し、さらに発展させることを目指す「神経経済学(neuroeconomics)」という新分野が最近提案され、注目を集めている。

創造は、脳の価値判断のプロセスと無縁ではない。将来的には、神経経済学と創造理論の統一が視野に入ってくるだろう



「神経経済学(neuroeconomics)」については、以下もご参考まで。

On Off and Beyond: 神経経済学

Neuroeconomics Explained

Neuroeconomics is an interdisciplinary research program with the goal of building a biological model of decision making in economic environments. Neuroeconomists ask, how does the embodied brain enable the mind (or groups of minds) to make economic decisions? By combining techniques from cognitive neuroscience and experimental economics we can now watch neural activity in real time, observe how this activity depends on the economic environment, and test hypotheses about how the emergent mind makes economic decisions. Neuroeconomics allows us to better understand both the wide range of heterogeneity in human behavior, and the role of institutions as ordered extensions of our minds.





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ゲスト
投稿日時: 2005-6-14 14:42  更新日時: 2005-6-14 14:42
 Sony CSL Open House 2005
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ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)のオープンハウスに行く。 インタフェース関係では加速度とジャイロによってデバイスを体のどこにつけているか推定する研究、ピンとLEDを組み合わせた触角・視覚ディスプレイ、また複数台のデジタルカメラを同期して撮影を行う「シンクロシャッター」など完成度の高い研究が目白押し。特にシンクロシャッターは、モバイル・アドホックの環境で情報機器を連動させたりデータ交換を行うデザインの考え方が近くて面白かった。 別のフロアではバイオやロボットの基礎研究を行っており、高安秀樹先生(昔「フラクタル」という著書を読んだことがある)や茂木健一郎先生(「クオリア」の研究を提唱していることで著名)による経済や脳の研究が興味深かった。特に茂木先生の研究室での神経経済学の研究において、「環境の不確実性にチャレンジする」ことが、ドーパミンの報酬系で説明できるのではないかとされていた。おそらくこの方向性で遊びを作り出すメカニズムが解明できると考えられる。 さらにCSL ParisのスタッフによってAIBOを用いた言語や身体運動の構成的獲得の研究がなされており、アイデアとしては多くの人が持っていてもそれがきちんと実装されておりインパクトがあった。...
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